しがない探偵「卓馬」、さえない刑事「誠治」、うだつの上がらないチンピラ「浩輔」。
三人の男たちは学生時代からの親友同士、相反する職業の彼らは「お互いの仕事には絶対干渉しない」というルールのもとに、今も友情を育んでいた。
そんな三人の男たちの前に現れた謎の女。追われていた彼女を助けた彼らは、その女、雫から不思議な話を聞く。
彼女が追われていたのはその特殊能力のせいであり、能力とは「彼女と契約した者は、自身が後悔している人生の選択肢に時を戻すことが出来る」というもの。
話半分で流していた三人は、ある事件を元にこの力が本物だと言うことを知る。
浩輔と誠治は己のために彼女と契約し、雫の力を使い成り上がっていく。その結果二人は親友の絶対ルール
「お互いの仕事には絶対干渉しない」を無意識に破っていくことになってしまう。
そして明かされる真実、雫の能力を行使する代償は「思い出を少しずつ失う」というものだった。友情も、信頼も、お互いのことも少しづつ忘れだす浩輔と誠治、二人の関係は徐々に組織対警察という抗争に拡大し、街を飲み込んでいく。
壊れゆく友情と、混乱を増す街を守るために走り出す卓馬。雫の力の秘密とは、そして彼女を追っていた謎の存在、樹の正体は?親友の失われた思い出を取り戻すことは出来るのか?
駆け抜けた闇の先に待つ、三人の友情と思い出のかけら。
「必ず帰るから、お前の思い出に」